技人国ビザを派遣社員が更新する際の必要書類|2026年は昨年と同じ資料では不足する可能性

人材派遣会社、人材紹介会社、外国人材を受け入れている企業の皆さまへ。

派遣会社に雇用され、派遣先で勤務している外国人が、在留資格「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる技人国ビザの更新申請をする場合、提出資料について注意が必要です。

2026年、出入国在留管理庁は、技人国ビザで派遣形態により就労する外国人について、在留申請時の取扱いと提出資料を明確化しています。

そのため、昨年の更新申請で許可を受けていても、今年も同じ書類だけを提出すればよいとは限りません。

特に在留期間更新許可申請では、派遣元が保有する雇用関係の資料だけでなく、派遣先の協力を得て準備する資料も必要になります。

2026年、派遣就労者の技人国ビザ申請で注意すべき点

出入国在留管理庁の案内では、技人国ビザで派遣契約に基づいて就労する場合、派遣元と派遣先の双方に関する資料を提出する取扱いが示されています。

これは、申請人が派遣会社と雇用契約を締結しているかどうかだけでなく、実際の派遣先でどのような業務に従事するのかを確認する必要があるためです。

派遣先での業務も、技人国ビザに該当する専門的な業務でなければなりません。

また、派遣契約期間、勤務場所、業務内容、勤務実績などについて、申請書と各資料の内容が一致していることも重要です。

出入国在留管理庁は、派遣形態で就労する場合の提出資料として、派遣元・派遣先の誓約書や、派遣先での活動内容と派遣契約期間を明らかにする資料を案内しています。

技人国ビザの新規・変更・更新で確認する主な派遣関係資料

派遣就労を予定している、または既に派遣就労をしている外国人の申請では、申請の種類に応じて、主に次の資料を確認します。

新規・変更・更新申請で確認する主な資料

  • 申請人の派遣労働に関する誓約書(所属機関・派遣元用)
  • 申請人の派遣労働に関する誓約書(派遣先用)
  • 労働条件通知書または雇用契約書
  • 労働者派遣個別契約書

派遣元の誓約書だけでなく、派遣先が作成する誓約書も必要になる点に注意が必要です。

外国人本人や派遣元だけで申請準備を進め、申請直前になって派遣先へ書類の作成を依頼すると、社内確認や押印に時間がかかることがあります。

技人国ビザの更新時に重要となる3つの資料

既に派遣先で勤務している外国人の在留期間更新許可申請では、勤務実態を確認する資料として、次の3点も提出資料に含まれています。

1.派遣元管理台帳

派遣元管理台帳は、派遣会社が作成・管理する台帳です。

申請人について、派遣先、派遣期間、業務内容、就業条件などが記録されています。

2.派遣先管理台帳

派遣先管理台帳は、派遣先企業が作成・管理する台帳です。

実際の就業場所、派遣期間、業務内容、指揮命令者など、派遣先での勤務状況を確認するための資料となります。

3.就業状況報告書(タイムシート等)

就業状況報告書やタイムシートは、申請人が実際に派遣先で勤務していることを確認するための資料です。

勤務日、勤務時間、欠勤、時間外勤務などの実績が確認されます。

出入国在留管理庁の技人国ビザの提出書類案内では、派遣就労者の更新申請について、派遣元管理台帳、派遣先管理台帳および就業状況報告書が明記されています。

昨年と同じ書類では不足する可能性があります

昨年の更新申請で許可を受けている場合、企業担当者は、前回提出した資料をもとに今回の申請を準備することが少なくありません。

しかし、派遣就労者の申請については、現在の提出書類案内を改めて確認する必要があります。

前回提出した雇用契約書、派遣個別契約書、会社資料、納税関係資料などをそのままそろえるだけでは、派遣元・派遣先の誓約書や、更新時の管理台帳、勤務実績資料が不足する可能性があります。

不足資料がある場合、入管から追加資料の提出を求められることがあります。

追加資料の提出期限は限られるため、派遣先からの資料取得に時間がかかると、審査スケジュールにも影響するおそれがあります。

派遣元だけでは申請準備が完結しません

派遣就労者の技人国ビザ申請では、派遣会社が保有している資料だけでは準備が完結しないことがあります。

派遣先に対して、次のような対応を依頼する必要があるからです。

  • 派遣先用誓約書の作成
  • 派遣先管理台帳の提供
  • 就業状況や業務内容の確認
  • 勤務場所、所属部署、指揮命令者の確認
  • 派遣契約期間の確認

派遣先では、外国人本人の在留期限を把握していないこともあります。

更新期限が近づいてから初めて書類の提供を依頼すると、派遣先の社内手続に時間を要し、期限までに資料がそろわない可能性があります。

そのため、派遣元は外国人社員の在留期限を管理し、余裕をもって派遣先へ協力を依頼することが重要です。

書類がそろっていても、記載内容の不一致に注意

必要な書類をすべて用意しても、それだけで十分とは限りません。

申請書、雇用契約書、派遣個別契約書、管理台帳、タイムシートなどについて、次の内容が一致しているか確認する必要があります。

  • 派遣先の会社名
  • 実際の勤務場所
  • 所属部署
  • 派遣開始日と派遣終了日
  • 契約更新の有無
  • 具体的な業務内容
  • 所定労働時間
  • 給与額
  • 実際の勤務日数と勤務時間

例えば、申請書ではシステム開発業務と記載されている一方、派遣個別契約書や管理台帳では業務内容が「作業補助」「製造業務」などと記載されている場合、実際の活動が技人国ビザに該当するかについて疑問を持たれる可能性があります。

また、派遣先の住所、部署名、派遣期間などが資料ごとに異なる場合も、追加説明が必要になることがあります。

派遣先での業務が技人国ビザに該当する必要があります

派遣会社との雇用契約が存在するだけでは、技人国ビザの要件を満たすとは限りません。

重要なのは、申請人が派遣先で実際に従事する業務です。

技人国ビザでは、自然科学または人文科学の分野に属する技術や知識を必要とする業務、あるいは外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする業務に従事することが求められます。

例えば、ITエンジニア、機械設計、研究開発、貿易業務、通訳・翻訳、海外営業などは、業務内容や申請人の経歴によって技人国ビザに該当する可能性があります。

一方で、製造ライン作業、梱包、運搬、清掃、単純な検品作業などが主な業務である場合、原則として技人国ビザの活動には該当しません。

派遣先が複数ある場合には、それぞれの派遣先での業務内容について確認が必要です。

出入国在留管理庁も、派遣契約に基づく就労では、派遣先における職務内容や勤務場所を明らかにする必要があると案内しています。

「客先常駐」はすべて労働者派遣ではありません

他社の事業所で勤務しているからといって、すべての客先常駐が労働者派遣に該当するわけではありません。

客先常駐には、主に次の契約形態があります。

  • 労働者派遣契約
  • 業務委託契約
  • 請負契約
  • 準委任契約

労働者派遣では、派遣先が外国人社員に対して業務上の指揮命令を行います。

一方、請負や準委任では、原則として外国人社員を雇用する会社が業務上の指示や管理を行います。

契約書の名称が「業務委託契約」や「請負契約」になっていても、実際には客先が外国人社員へ直接指示をしている場合、契約書の名称と勤務実態が一致していない可能性があります。

技人国ビザ申請の準備では、単に勤務場所だけを見るのではなく、契約内容と実際の指揮命令関係を確認することが重要です。

人材紹介会社も無関係ではありません

今回の取扱いは、人材派遣会社だけの問題ではありません。

人材紹介会社が紹介した外国人材の就職先が派遣会社である場合や、紹介先企業が客先常駐型の事業を行っている場合、在留資格申請の遅れが入社日や就業開始日に影響することがあります。

採用決定後に、次のような問題が判明するケースも考えられます。

  • 派遣先がまだ確定していない
  • 派遣先での業務が技人国ビザに該当しない
  • 派遣契約期間が短い
  • 派遣先から必要資料を取得できない
  • 採用時に説明された業務と実際の業務が異なる
  • 客先常駐の契約形態が明確でない

外国人材を企業へ紹介する際には、採用条件だけでなく、実際の勤務形態と在留資格上の適合性についても、早い段階で確認することが重要です。

派遣就労者の技人国ビザ更新は早めの準備が重要です

技人国ビザの在留期間更新許可申請は、原則として在留期間満了日の約3か月前から申請できます。

派遣先への書類依頼、契約内容の確認、勤務実績の整理などには時間がかかるため、在留期限直前ではなく、申請可能時期に入る前から準備を始めることをおすすめします。

特に、次のような企業は早めの確認が必要です。

  • 技人国ビザを持つ外国人社員を派遣している
  • 今年初めて派遣就労者の更新申請をする
  • 昨年の更新資料をそのまま使用する予定である
  • 派遣先が変更されている
  • 派遣契約の更新時期が近い
  • 複数の派遣先で勤務している
  • 派遣先での業務内容を詳しく把握していない
  • 客先常駐が派遣、請負、準委任のいずれか分からない

グエン行政書士事務所のサポート

グエン行政書士事務所では、人材派遣会社、人材紹介会社、外国人材を雇用する企業と連携し、技人国ビザの申請をサポートしています。

主な対応内容は次のとおりです。

  • 外国人材の採用前相談
  • 技人国ビザの在留資格認定証明書交付申請
  • 留学等から技人国ビザへの在留資格変更許可申請
  • 技人国ビザの在留期間更新許可申請
  • 派遣就労者の必要資料の確認
  • 派遣元・派遣先へ依頼する資料の整理
  • 客先常駐案件の契約関係の確認
  • 申請書と契約書類の整合性確認
  • 業務内容説明書や補足説明資料の作成

「昨年と同じ資料で更新できるのか」

「派遣先にどの書類を依頼すればよいのか」

「派遣先での業務内容で技人国ビザを更新できるのか」

「この客先常駐は派遣として扱われるのか」

「外国人材の入社日や派遣開始日に間に合わせたい」

このような疑問がある場合は、在留期限や入社日の直前ではなく、早めにご相談ください。

派遣就労を伴う技人国ビザ申請では、必要書類をそろえるだけでなく、派遣元、派遣先、外国人本人の契約関係と勤務実態を正確に整理することが重要です。

※本記事は2026年7月時点の出入国在留管理庁の公表情報に基づいて作成しています。必要書類や審査上の取扱いは、申請内容や個別事情によって異なる場合があります。

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