日本で不動産を購入すれば永住権を取得できる?外国人の日本移住と「経営・管理」ビザの注意点【2026年版】

 

 

海外から日本への移住や投資を検討している方から、次のような質問を受けることがあります。

「日本でマンションを購入すれば、長期間住むことができますか?」

「日本の銀行に一定額を預金すれば、永住権を取得できますか?」

「日本で会社を設立すれば、経営者として日本に住めますか?」

海外には、不動産投資や一定額の投資によって居住資格を取得できる制度を設けている国があります。

しかし、日本の在留資格制度は異なります。

今回は、不動産購入・銀行預金と日本の在留資格の関係、そして外国人が日本で事業を経営するための在留資格「経営・管理」について解説します。

1.日本でマンションを購入すれば在留資格を取得できる?

結論からいうと、日本には、不動産を購入するだけで在留資格や永住許可を取得できる制度はありません。

外国人が日本で不動産を所有することと、日本に居住するための在留資格を取得することは、別の問題です。

例えば、日本でマンションを購入した外国人であっても、その所有権だけを理由に日本で長期間生活できるわけではありません。

また、日本の銀行に多額の預金があるという理由だけで、在留資格や永住許可が認められる制度もありません。

日本で長期間生活するためには、原則として、就労、家族関係、事業経営など、本人の活動や身分に応じた在留資格を検討する必要があります。

2.日本で会社を設立すれば住める?

日本で会社を設立することと、日本で経営活動を行うための在留資格を取得することも、別の問題です。

外国人が日本で会社を設立したとしても、それだけで日本に居住する権利が認められるわけではありません。

日本で実際に事業の経営や管理に従事する場合には、在留資格「経営・管理」が選択肢の一つになります。

ただし、「経営・管理」は、単に資金を投資した人や会社を所有している人に対して与えられる在留資格ではありません。

申請者が日本で実質的な経営・管理活動を行うことが前提となります。

3.2025年10月16日、「経営・管理」の許可基準が改正

2025年10月16日、在留資格「経営・管理」の許可基準が大きく改正されました。

改正後の主な要件は、次のとおりです。

① 3,000万円以上の資本金等

法人の場合は原則として3,000万円以上の資本金または出資総額などが必要です。個人事業の場合は、事業に投下されている資金の総額などによって判断されます。

② 常勤職員1名以上の雇用

日本人、特別永住者、永住者など、制度上の対象となる常勤職員を1名以上雇用することが求められます。

③ 一定の日本語能力

経営者または常勤職員のいずれかに、原則として日本語教育の参照枠B2相当以上の日本語能力が求められます。

④ 経営者の学歴または実務経験

申請者には、経営・管理または事業分野に関係する修士相当以上の学位、もしくは経営・管理に関する3年以上の実務経験などが求められます。

⑤ 専門家による確認を受けた事業計画

事業計画について、所定の専門家による確認を受ける必要があります。

これらに加えて、日本国内の事業所の確保や、事業の実態・継続性なども重要です。

※上記は主な要件の概要です。申請の種類や個別事情、経過措置によって取扱いが異なる場合があります。

4.資産があれば「経営・管理」ビザを取得できる?

十分な資産を保有していることは、事業を開始するうえで有利な条件になり得ます。

しかし、資産があることと、「経営・管理」の在留資格が許可されることは同じではありません。

例えば、3,000万円以上の資金を準備できたとしても、それだけで許可されるわけではありません。

どのような商品やサービスを提供するのか、顧客をどのように獲得するのか、必要な人員をどのように確保するのか、事業を継続できる見込みがあるのか、といった点も重要です。

日本で生活することだけを目的とした形式的な会社設立ではなく、実際に事業を経営する計画が求められます。

5.日本進出を検討する前に確認したいこと

海外の経営者や起業家が日本進出を検討する際には、会社設立や不動産契約などを進める前に、在留資格の取得可能性も確認することをお勧めします。

特に、次の点を事前に整理しておくことが重要です。

  • 日本で行う事業の内容と収益計画
  • 必要な資金とその調達方法
  • 事業所の確保
  • 常勤職員の採用計画
  • 経営者の学歴・職歴
  • 日本語能力の要件への対応
  • 在留資格申請までのスケジュール

会社設立や投資を進めた後で在留資格の要件を満たせないことが判明すると、事業計画の見直しが必要になる場合があります。

そのため、事業計画と在留資格の準備を並行して進めることが大切です。

6.海外での経営経験を生かした在留資格申請支援

私はこれまで、ドバイ、ベトナム、中国、香港などで12年以上、海外事業や経営に携わってきました。

海外で事業を展開する際には、現地の法制度や商習慣を理解し、事前に準備することの重要性を実感してきました。

現在は、グエン行政書士事務所(Nghuen-law office)として、外国人経営者や起業家の日本での在留資格申請を支援しています。

日本での事業展開を検討されている方に対して、在留資格「経営・管理」に関する申請要件の確認、必要書類の整理、在留資格認定証明書(COE)交付申請などをサポートしています。

まとめ|日本への投資と在留資格取得は別の問題

日本で不動産を購入すること、銀行に預金を持つこと、会社を設立することは、それぞれ在留資格の取得とは別の問題です。

日本で実際に事業を経営することを希望する場合には、「経営・管理」の在留資格が選択肢となりますが、事業の実態や許可基準を満たす必要があります。

日本への移住や事業展開を検討されている方は、大きな投資を行う前に、在留資格の要件を確認することをお勧めします。

グエン行政書士事務所では、日本での事業経営を希望する外国人の在留資格申請についてご相談を承っています。

グエン行政書士事務所|Nghuen-law office

※本記事は2026年10月時点の公表情報に基づく一般的な解説です。個別の申請については、最新の法令・審査基準と具体的な事情の確認が必要です。

参考資料

出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」

https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html

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